Vine Linux ではほとんどのアップグレード用パッケージは apt
を使用して入手可能ですが、カーネルはこれらと同様の方法ではアップグレードする事はできません。
ここではカーネル関連のいくつかのパッケージのアップグレードについてと、カーネル本体のアップグレードに分けて記します。
なお、ここでの作業は全て root で行います。
# apt-get update 取得完了: xxxkB を ?m??s (xxxB/秒) ファイル依存を処理しています... 完了 パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 # apt-get upgrade パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 以下のパッケージは保留されます: kernel-doc kernel-headers kernel-source 0 個のアップグレードパッケージ, 0 個の新規パッケージ, 0 個の削除/リプレースパッケージ, 3 個の保留パッケージがあります。
以下のカーネル関連のパッケージ:
は、以前はできたような気がするのですが、今は apt-get dist-upgrade
で入手可能です。apt-get dist-upgrade
ではインストールできないようです。install
コマンドでパッケージ名を指定してアップグレードする事もできます。
# apt-get install kernel-doc kernel-headers kernel-source ファイル依存を処理しています... 完了 パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 以下の保留パッケージが変更されます kernel-doc kernel-headers kernel-source 以下のパッケージがアップグレードされます: kernel-doc kernel-headers kernel-source 3 個のアップグレードパッケージ, 0 個の新規パッケージ, 0 個の削除/リプレースパッケージ, 0 個の保留パッケージがあります。 取得パッケージ: xxxMB のアーカイブを取得します。インストール後は xxxxB が使用されます。 続行しますか? [Y/n]
カーネル本体は自力でインストールする必要があります。まず、FTP サイトからカーネルパッケージを入手します。/Vine-2.6/updates/RPMS/i386 には .i386.rpm、.i586.rpm、.i686.rpm の3種類のパッケージがあるので、自分の環境(プロセッサタイプ)にあわせて選びます。例えばログイン画面で、
Vine Linux 2.6r1 (La Fleur de Bouard) Kernel 2.4.19-0vl11 on an i686 login:
と表示される場合は .i686.rpm を選びます(あるいは、GNOME Control Center から確認する事もできます)。ダウンロードしたパッケージは /root に置くとアクセスしやすいでしょう。
カーネルパッケージをインストールするには rpm -ivh
を使います。
# rpm -ivh kernel-VAR-REL.i686.rpm
ここで VAR はカーネルのバージョン、REL はリリース番号(ベースとなる Red Hat Linux のリリース番号に Vine Linux のリリース番号を加えたもの)です。例えば、
# rpm -ivh kernel-2.4.22-0vl2.12.i686.rpm
追記:kernel 本体も apt でインストールできました(ぉぃ。install コマンドでパッケージ名を指定すればインストールできます。パッケージ名は Errata を見るか、apt-get install kernel とすれば分かります。
# apt-get install kernel ファイル依存を処理しています... 完了 パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 パッケージ kernel は以下のパッケージで提供されているバーチャルパッケージです。 (パッケージ列挙略) インストールするパッケージを明示的に選択する必要があります。 E: Package kernel has no installation candidate
# apt-get install kernel#2.4.22-0vl2.12
最後に LILO の設定をします(先にやってもいいのですが)。LILO の設定ファイル /etc/lilo.conf を適当なエディタで開きます。個人的には vi を使うのが楽だと思います。vi の操作を覚えるのは楽ではありませんが :-)
# vi /etc/lilo.conf
prompt timeout=50 default=linux boot=/dev/hda map=/boot/map install=/boot/boot.b message=/boot/message lba32 image=/boot/vmlinuz-2.4.19-0vl11 label=linux read-only root=/dev/hdc2 image=/boot/vmlinuz-2.2.20-0vl10 label=linux-2.2-up read-only root=/dev/hdc2 other=/dev/hda1 optional label=win
安全のためにも現在のエントリは(label を変更して)残しておきましょう。例えば、次のようにします。
prompt timeout=50 default=linux boot=/dev/hda map=/boot/map install=/boot/boot.b message=/boot/message lba32 image=/boot/vmlinuz-2.4.22-0vl2.12 label=linux read-only root=/dev/hdc2 image=/boot/vmlinuz-2.4.19-0vl11 label=linux-2.4.19 read-only root=/dev/hdc2 image=/boot/vmlinuz-2.2.20-0vl10 label=linux-2.2-up read-only root=/dev/hdc2 other=/dev/hda1 optional label=win
保存して終了 (ZZ
) し、LILO を有効にします。
# /sbin/lilo Added linux * Added linux-2.4.19 Added linux-2.2-up Added win #
以上で全作業は終了です。マシンを再起動してください。起動できなかったら‥‥古いカーネルで起動してもう一度やり直して見ましょう。
「kernel-source をインストールしたら自分で Make すればいいじゃん」と思われる方もいらっしゃることでしょう。私もそう思います。‥‥まぁそのうちに(ぉ。